INITIATIVES FOR SDGS SDGsへの取り組み

注力すべき7つのゴールを選定し推進

環境・安心・安全でサステナブルな社会の実現への貢献を目指すRYODENグループにとって、SDGsに対する取り組みは、事業活動の根本を支えていると言っても過言ではありません。当社グループでは、特に注力すべき7つのゴールを選定し、事業活動が密接にリンクした形で様々な社会課題の解決に取り組んでいます。

SDGsに対する考え方

社会課題を明確にしたSDGsは、当社グループが事業活動全般において注力すべき分野、あるいは方向性そのものを示しています。当社グループの経営理念・行動指針はSDGsと合致する部分が多く、SDGsの課題解決に向けた活動が、当社の目指すべき事業活動そのものであるとも言えます。当社グループはSDGsを、事業活動を持続的に発展させるための重要なファクターであると捉えており、事業活動とSDGsとの関係性を深め、社会課題解決に貢献することに常に尽力しています。

SDGs推進体制

SDGsに対する取り組みを当社グループの戦略・経営に反映し、社会的価値と経済的価値を両立させるため、「SDGsワーキンググループ」を設置しています。同ワーキンググループは環境・品質分野を管掌する取締役をトップに各事業部門の代表者で構成しており、サステナビリティ委員会の指示・監督のもと、経営会議との連携を図りながら活動を推進しています。

事業活動における重要なSDGsの選定

社会課題解決への対応を明確にするため、当社グループの事業活動における重要な7つのSDGsを選定しています。選定にあたっては、事業における重要度や中期経営計画で注力する分野、ステークホルダーからの視点などを総合的に勘案しました。

STEP 1 事業活動におけるSDGsとの関連性を各事業部で検討し、
重点取り組みSDGsゴールを選定した。
STEP 2 中期経営計画で注力する分野は「環境」「安心」「安全」であるが、
その注力の具体例に掲げているSDGsゴールとの比較・確認を行った。
STEP 3 掲げられたSDGsゴールが事業を跨いで取り上げられ、
事業の重要度や社会課題・ステークホルダーからの視点も高いものを選定した。
STEP 4 注力分野の他に当社独自で付加価値を高めているスマートアグリ事業(他の農事ビジネス含む)を特別事業における重要なSDGsとしてゴールに加えた。

特定したSDGs

特定した7つのSDGsはいずれも、社会にとって重要度が高い課題であると同時に、当社グループの事業活動においても重要度の高いものとなっています。これらのゴールを目指すことによって、持続可能な社会の実現に貢献するとともに、企業としてのさらなる成長も達成できると考えています。

特定したSDGs
当社事業から考察する重要なSDGs 取り組み
飢餓をゼロに

飢餓をゼロに

持続可能な食料生産システムへの対応
すべての人に健康と福祉を

すべての人に健康と福祉を

質の高い保健サービスの開発・交通事故削減への対応
エネルギーをみんなにそしてクリーンに

エネルギーをみんなにそしてクリーンに

最適なエネルギーの利用
働きがいも経済成長も

働きがいも経済成長も

革新的な労働環境への対応
産業と技術革新の基盤をつくろう

産業と技術革新の基盤をつくろう

革新的なインフラ構築の促進
住み続けられるまちづくりを

住み続けられるまちづくりを

持続可能な安心・安全なまちづくり
気候変動に具体的な対策を

気候変動に具体的な対策を

気候変動への対応

事業活動とSDGsの関わり

各事業活動から社会課題解決につながる主な取り組みを選定しました。

この活動を推進することで社会貢献を目指していきます。

事業部 機会・リスクから確認した課題 主な取組 重点取り組みSDGs
FAシステム
FAシステム
  • ・最適なエネルギーの利用
  • ・革新的な労働環境への対応
  • ・革新的なインフラ構築の促進
  • ・持続可能な産業化の促進
  • ・気候変動への対応
  • ・廃棄物削減・管理
  • ・システムエンジニアリング事業の推進
  • ・EMS(エネルギーマネジメントシステム)事業の推進
  • ・微細レーザ加工分野における産学共同研究の推進
FAシステム
冷熱システム
冷熱システム
  • ・持続可能な食料生産システムへの対応
  • ・最適なエネルギーの利用
  • ・革新的なインフラ構築の促進
  • ・気候変動への対応
  • ・廃棄物削減・管理
  • ・製造業顧客の開拓推進
  • ・農事ビジネスの拡大
  • ・空調機器(PAC、低温機器、換気機器)の拡販
冷却システム
ビルシステム
ビルシステム
  • ・最適なエネルギーの利用
  • ・クリーンエネルギの促進
  • ・革新的なインフラ構築の促進
  • ・持続可能な安心・安全なまちづくり
  • ・気候変動への対応
  • ・廃棄物削減・管理
  • ・ZEB事業の推進
  • ・BEMS(ビルエネルギーマネジメントシステム)の提案推進
ビルシステム
ネットワークシステム
ICTシステム
  • ・最適なエネルギーの利用
  • ・革新的な労働環境への対応
  • ・質の高い持続可能なインフラの開発
  • ・革新的なインフラ構築の促進
  • ・持続可能な安心・安全なまちづくり
  • ・気候変動への対応
  • ・化学物質の適正管理
  • ・廃棄物削減・管理
  • ・センシングデバイス&通信技術を利用したサービス事業の推進
  • ・製造現場における生産性向上を目的としたビジネスカメラ(MVS)の設備推進
  • ・セキュリティ機器、情報通信機器の販売(設置・管理)
ネットワークシステム
スマートアグリ
スマートアグリ
  • ・持続可能な食料生産システムへの対応
  • ・最適なエネルギーの利用
  • ・革新的なインフラ構築の促進
  • ・気候変動への対応
  • ・植物工場(生産事業)天候に左右されない農作物の安定供給
  • ・植物工場 環境制御システム 自然エネルギー活用提案
スマートアグリ
ヘルスケア
ヘルスケア
  • ・質の高い保険サービスの開発
  • ・安心・安全な労働環境の促進
  • ・質の高い持続可能なインフラの開発
  • ・救急+健康管理アプリケーションの提供
  • ・プライベートLTE構築・販売による医療情報コミュニケーション変革
ヘルスケア
エレクトロニクス
エレクトロニクス
  • ・交通事故削減への対応
  • ・クリーンエネルギの促進
  • ・革新的なインフラ構築の促進
  • ・持続可能な安心・安全なまちづくり
  • ・気候変動への対応
  • ・化学物質の適正管理
  • ・廃棄物削減・管理
  • ・新たな街づくりへの参入(Maas市場)
  • ・コネクテッド市場での事業確立
  • ・ADAS、自動運転ソリューション
  • ・スマートホーム/スマートファクトリー
  • ・省エネソリューションの販促推進
  • ・製品(SiCパワー半導体デバイス)の販売
  • ・製品(光通信用デバイス)の販売
エレクトロニクス

リスク低減への重要課題の取り組み

事業の継続性を阻害する環境・社会・ガバナンス面のリスクに対してのコーポレートでの取り組みを「ステークホルダーから見る重要度」と「当社活動における重要性」の両面から考察して重要と位置づけられる項目について重要課題としました。

重要課題とした項目 取り組み 関連するSDGs
環境 温暖化対策
  • ・事務所での温室効果ガス排出削減(環境ビジョン達成に向けた活動)
  • ・社用車での温室効果ガス排出削減
温暖化対策
循環型社会形成への取り組み
  • ・森林資源保護・廃棄削減
循環型社会形成への取り組み
生物多様性への対応
生物多様性への対応
社会 ダイバーシティ推進
ダイバーシティ推進
人材育成の取り組み
人材育成の取り組み
働き方改革
働き方改革
品質等への取り組み
品質等への取り組み
ガバナンス コーポレートガバナンスの進化
コーポレートガバナンスの進化
リスクマネジメント対応
リスクマネジメント対応
コンプライアンスの継続導守
コンプライアンスの継続導守

重要課題への取り組みにおける目標(KPI)と2023年度実績

当社におけるリスク低減にむけた取り組みを環境(E)、社会(S)、ガバナンス(G)の面から分類し、当社活動における重要性を考慮した項目を重要課題としました。
この重要課題に対しては、取り組み目標(KPI)を設定し、活動を進めています。

重要
課題
主要テーマ 取り組み 関連するSDGs 目標 23年度実績
総括
サステナビリティ経営に向けたマネジメント体制の強化 サステナビリティ委員会の取り組み推進
総括
  • 〇サステナビリティ委員会の定期開催を通じたサステナビリティ活動進捗フォロー
    • ・4月よりサステナビリティ推進グループを新設
    • ・全社でのサステナビリティを重視した経営に向け、25年度での独立した専門部の立ち上げに向け準備を進めるなど、運用体制の確立を図り、全社サステナビリティ関連活動を推進できる体制の土台を構築する
  • ①サステナビリティ委員会は3月に開催
    パーパス浸透については、KAMOMEプロジェクトを立ち上げ推進
  • ②TCFD/CDP対応についてはプロジェクト化し、環境・品質本部と連携して推進
    TCFD
    • ・TCFDロードマップ作成、リスクと機会の再整理とシナリオ分析を実施
    • ・23年10月に経営幹部向けに外部講師を招いて、TCFDを含む気候変動セミナーを2回開催
    CDP
    • ・23年度CDP評価で、Bスコアを獲得
環境(E)
温暖化対策
事業所での温室効果ガス排出削減
(環境ビジョン達成に向けた活動)
非化石燃料起源の電力への切り替え・採用による削減
温暖化対策
  • 〇2030年までに事業所からの温室効果ガス排出をゼロに
    • ・国内単体およびテクノフォートは2024年以降もScope2ゼロを維持継続
    • ・ブロックファーム社、ファームシップ社および海外連結対象会社については2030年までにScope2ゼロ化を目指す

参考2023年度

ブロックファーム社
9,847,320kWh
ファームシップ社は23年未算入

海外
225,944kWh

  • ・国内単体およびテクノフォートの2023年度Scope2はゼロを達成
社用車の温室効果ガス排出削減 非化石燃料車(電気自動車(EV)、燃料電池車(FCV))の採用による温室効果ガス排出削減
温暖化対策
  • 〇非化石燃料車両の導入促進
    2030年までに非化石燃料車へ100%導入により社用車からの温室効果ガス排出削減
  • ・2023年度末時点:
    <2023年度末:3.8%(BEV:6台) /水素:1台)>
    <2022年度末:2.6%(BEV:5台) /水素:1台)>
    <2021年度末:1.1%(BEV:2台)>
循環型社会形成への取り組み
森林資源保護 森林循環祇使用による森林資源保護
循環型社会形成への取り組み
  • 〇森林循環紙100%使用(毎年継続)
コピー用紙:森林循環紙100%使用達成
廃棄物削減 廃棄物最終処分量削減
生物多様性への対応
  • 〇2030年度 廃棄物最終処分量削減
    (2030年度:2015年度比60%削減 501.6kg)
    2024年度目標 23年実績以下に(24年目標追加)
廃棄物最終処分量:2023年度実績 636.5kg<2022年度実績 609.1kg>
2023年度目標 22年度実績以下 ⇒未達
生物多様性への対応
生物多様性に配慮した社会貢献活動
地球環境保全活動の推進
生物多様性への対応
  • 〇コロナ禍の活動停滞からの回復
    全拠点・エリアでの活動継続
各拠点で社会貢献活動を再開(欧米2拠点を除く)
社会(S)
ダイバーシティ推進 多様な人材の活躍支援
ダイバーシティ推進
  • 〇2025年度新卒総合職に占める女性比率を30%に(目標年度変更24年⇒25年度へ)
  • 〇2030年度 女性上級職数を20名程度(上級職の6%程度)、うち女性管理職15名程度に
  • 〇2030年度 キャリア採用上級職数を115名程度(上級職の30%程度)に
  • 〇障害者雇用率の法定遵守に向けた採用活動強化
  • 〇2024年度実績 2024年4月入社 8名 20.5%
  • 〇2023年度実績8名、2.3%(2024年3月時点)、女性キャリア採用増
  • 〇2023年度実績63名、18.2%(2024年3月時点)
  • 〇2023年度 2名入社
人材育成の取り組み 成長し続けることができる機会提供
人材育成の取り組み
  • 〇チーム力強化実践PJ実施率2025年度完了
  • 〇年代別キャリアプラン研修2025年度全社員中30%受講
  • 〇年代別キャリアプラン研修の対象拡充(50歳に加え、30・40歳研修実施)
  • 〇2024年度よりチーム力強化実践PJのプログラムを変更し対応
  • 〇2023年度未実施。24年度からプログラム変更し対応。
  • 〇年代別キャリアプラン研修2025年度全社員中30%受講
    (⇒25年度に累計する)
  • 〇年代別キャリアプラン研修の対象拡大(50歳に加え、25歳・30歳・40歳を実施)
  • 〇24年度新規目標
働き方改革 健康経営
ワークライフバランスの実現
働き方改革
  • 〇定期健康診断・ストレスチェックの受診率100%
  • 〇年次有給休暇年間5日取得の遵守
  • 〇2024年度年次有給休暇取得率65%以上を維持
  • 〇2024年度男性社員の育休取得率 30%以上 <24年度目標追加>
  • 〇定期健康診断受診率:99.4%・ストレスチェック受診率:99.9%
  • 〇全社員が年次有給休暇年間5日取得
  • 〇2024年度年次有給休暇取得率を65%以上を維持 ⇒2023年度実績:80.2%
  • <新たな取り組み>
    • 〇2023年12月より在宅勤務制度導入
    • 〇2024年度より時差出勤制度導入、育児のための勤務時間短縮制度を子が小学校3年までに拡充
品質等への取り組み
持続可能な消費・生産への技術的能力の強化支援
新事業に対する品質リスクマネジメント体制の運用
重大不具合に対する真因追求及び再発防止策の横展開
品質等への取り組み
  • 〇新規事業に対する品質リスク事前検証の実施
  • 〇不具合事例の横展開と説明会などでの啓蒙活動
    • ・新規ビジネスに対するリスク審査会議継続実施
    • ・当社企画・開発の新規事業に対する品質保証体系を構築し、開発中のビジネスを対象にトライアルとして有効性を検証
  • 〇4半期に一度、当社責重大不具合事例の横展開を実施
ガバナンス(G)
コーポレートガバナンスの進化 CGコードに沿ったガバナンス強化への取り組み
コーポレートガバナンスの進化
  • 〇監査役会設置会社から監査等委員会設置会社への移行対応(4~6月)、移行後の課題検証
  • 〇役員報酬見直し対応(4~6月)
  • 〇CG報告書83原則の見直しと提出(6月)
  • 〇社長後継者計画に基づく施策の実行
  • 〇取締役会実効性評価(4月)、独立社外役員意見交換会(5月)
  • 〇諮問委員会規則改定(6月)
  • 〇権限規定等取締役会から執行側への権限移譲内容検討(6月)
  • 〇CG報告書83原則の取り組み内容の見直し(23/6~)
  • 〇機関設計・役員報酬の見直し方針の提案(23/9~)
  • 〇社長後継者計画の運用(23/9~)
リスクマネジメント対応 事業リスク委員会によるリスク管理体制の充実でガバナンスを補完する
リスクマネジメント対応
  • 〇事業リスク委員会の定期開催と社内情報共有の促進(年2回[半期1回])
  • 〇事業のリスクは状況により変化するため、継続して測定を行う。
  • 〇事業リスク委員会の定期開催(9月/3月)
    事業リスク委員会開催に当たっては作成資料の様式見直しを実施。
  • 〇リスクマネジメント統括委員会の開催(4月)
コンプライアンスの継続遵守 倫理・遵法委員会による遵守状況の確認と共有。
全拠点での遵法チェックの履行
コンプライアンス教育の充実
コンプライアンスの継続遵守
  • 〇倫理・遵法委員会の定期開催と社内情報共有の促進(年2回)
  • 〇全拠点への遵法チェックの実行(年1回)
  • 〇国内外全従業員に対するコンプライアンス教育(e-Learning)実施率100%継続
  • 〇ホットラインの信頼性を継続するため引き続き通報窓口の定期的な教育、通報案件(概要)の社員へのフィードバック、運用状況の取締役会への報告など
左記目標を計画どおり実施

社内コミュニケーション

SDGs活動を浸透させるため、階層別にコミュニケーションを進めています。

経営層向けSDGsセミナー

経営層向けSDGsセミナー

(2021年3月)

経営層(社内取締役・執行役員)を対象に外部の有識者による「SDGsの概要」・「SDGs経営」・「持続可能な取り組みにするための心構え」をテーマとしたセミナーを開催しました。

これら内容への意見交換を実施し、経営とSDGsとの関係の理解を深めました。

社員向けe-learning

社員向けe-learning

(第1回目:2021年2月、第2回目2021年10月(国内)、2021年9月(海外)、第3回目2022年11月、第4回目2023年11月)

第1回目はSDGsの基礎知識の習得を目的に「なぜ今SDGsなのか」「SDGsとは何か」「やらないことがリスクの時代」「魅力だらけのSDGs」をテーマとした内容を国内従業員全員が受講しています。

第2回目は、ESGやサステナビリティとの関係付けを含めた「SDGsとは?」「SDGsに関する社会動向」「SDGsの取組事例」をテーマに国内・海外の全従業員に実施しました。

また、第3回目以降は、重要課題やKPIの設定状況など、より当社活動に即した内容をテーマに加え、実施しました。このe-learningによるコミュニケーションは、毎年実施の予定です。

管理職向け「当社のSDGsの取り組み」に関する
                      説明会

管理職向け「当社のSDGsの取り組み」に関する説明会

(2021年11月)

当社の経営理念・行動指針とSDGsの関連、事業活動とSDGsの関係、そして事業活動におけるSDGs目標などについて、管理職(課長以上)と情報を共有しました。

事業活動とSDGs貢献への活動を「ジブンゴト」とし、コミュニケーションの活性化も期待する目的としています。

社内報を通じた理解促進

社内報を通じた理解促進

(2021年11月)

2021年4月より年4回発刊の社内報に「SDGsコーナー」を設け、関連情報を連載しています。

2023年も定期発刊に合わせて、計4回、情報を掲載し理解の促進に努めています。